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第10回 防災一口メモ
情報提供:宮古島地方気象台
竜巻の破壊力
竜巻は、積乱雲(入道雲)の下で発生する激しい空気の渦巻きで、渦巻きの中心付近ではときには台風を上まわる猛烈な風が吹き、宮古では「イノー」や「アマイノー」と呼ばれ、古くから恐れられている気象現象のひとつです。竜巻は、南から湿った気流が流入し大気の状態が不安定な場所で発生しやすく、主に前線の通過時や低気圧、台風に伴って多く発生します。
沖縄における竜巻の発生数は年間を通してみると、6月から10月にかけて多くなっていますが、2月や3月にも発生します。また、沖縄地方は地域別の発生率(単位面積あたり)ではもっとも多く、世界でも有数の竜巻発生地帯と言えます。
昨年11月に北海道佐呂間町や沖縄本島北部の東村宮城魚泊で発生した竜巻の被害は記憶に新しいと思いますが、宮古島でも平成6年8月20日に旧伊良部町で発生した竜巻により14名の負傷者と家屋の損壊等多数の被害が出ました。
この竜巻は、台風第16号の北側約200kmで発生し伊良部島の南部を西に横断しました。なお、この竜巻は、沖縄県でこれまで確認された竜巻の中でもっとも強い竜巻で、風速70メートルを超える突風が吹いたと推定されています。
竜巻は、台風や低気圧に比べてはるかに局地的で規模が小さく、発生から消滅までの寿命も短いため、発生の予測が非常に難しいのが現状です。通常は発達した積乱雲の下で多く発生しており、大雨注・警報や雷注意報が発表されている地域では、積乱雲の下で竜巻の発生する可能性もあるという事を常に念頭にいれておく事が重要です。
もし、近くで竜巻が発生したら、直ちに、丈夫な建物でなるべく窓の少ない部屋に避難しましょう。
久松海岸付近の竜巻(昭和55年8月)
伊良部島の竜巻被害状況(平成6年8月)
宮古島地方気象台
電話:0980-72-3054