トップ > くらしの情報 > 防災・安全 > 防災情報 > 防災一口メモ > バックナンバー > 台風接近時の高潮(波群津波)について
第51回 防災一口メモ
情報提供:宮古島地方気象台
台風接近時の高潮(波群津波)について
8月は1年でもっとも多く台風が発生する月で、沖縄県への接近ももっとも多い月となっています。今年の台風の発生状況は7月31日現在で3個とかなり少ないですが、まだまだ台風に対する警戒を緩めることはできません。
さて、台風接近時は、暴風・高波・高潮に対する警戒が必要であることは言うまでもありません。特に、高潮は地形的な条件によっては津波に匹敵するパワーで被害をおよぼすことがあります。
台風接近時における高潮害については、吹き寄せ効果と吸い上げ効果により、地形的に浸水害を引き起こすことはよく知られていますが、それ以外にサンゴ礁のある入江付近で、しばしば高潮による被害が発生することがあります。
波群津波(段波状サーフビート)と呼ばれるもので、琉球大学の仲座教授らの調査によって明らかになりました。1994年8月7日に発生した台風第13号による与那国町比川地区での浸水害や1997年8月17日に発生した台風第13号による八重瀬町のエビ養殖場での浸水害などの被害がそれにあたります。
波群津波が発生するしくみとしては、リーフの先端付近で砕波した大波の持つエネルギーがリーフ内での水位を盛り上げ、津波のように沿岸に押し寄せるというものです。
夏場は、特に潮位が高くなる時期でもあり、以上のような条件が重なると、被害が発生する可能性が非常に高くなります。
波群津波の模式図
宮古島地方気象台 技術課
電話:0980-72-3051