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第４章　新しい島づくりの基本方針

4-1 新市の将来像

前述の「新しい島づくりに向けて求められていること」を踏まえ、島づくりの将来の姿を以下のように示します。

将来の姿

スローガン

新市の将来像

島づくりの姿を上記のように定め、島づくりの考え方を次のように設定します。

4-2 新市の基本理念

以上の島づくりの将来の姿を踏まえ、それを支える３つの島づくりの考え方（まちづくりの基本理念）を下記のとおり設定します。

将来像と基本理念のイメージ

図. 将来像と基本理念のイメージ

基本理念

新しい島づくりの基本方針の体系

4-3 新市の将来都市構造

５市町村が合併によって一つの都市として新しく誕生し、一体的・計画的な島づくりを進めるため、以下のような新市の将来都市構造を形成していきます。

1. 都市構造の基本的な考え方

新市は、宮古島内１市２町１村と伊良部島・下地島（伊良部町）をはじめとする６つの島からなる離島地域という特性を有しています。
そうしたなか、一体的な島づくりを進めていくため、「美しい海」や互いに手をとりあって支えあいながら発展していく「結い」の心を地域、島をつなぐ貴重な資源と位置づけ、各地域の特性を十分に生かすことによって、新市全体として魅力ある島づくりを進めていきます。

2. 地域整備の方向性

合併を契機としてそれぞれの特性をより一層発展させ、機能分担と連携により、地域全体での魅力を強化していくことが望まれます。そうした観点から、特性の類似性、連続性、集積性等に配慮し、以下のようなゾーン区分を行います。

地域核

現在の各市町村の役所・役場を中心とする地区を、周辺地域の発展を先導し、地域に根ざしたきめ細やかなサービスを実現する地域核として位置づけます。

美しい海・連携ゾーン（地域間連携、水産業）

地理的な距離感を払拭し、地域の一体化を促進するものとして、貴重な地域資源である美しい海を位置づけます。また、水産業については、わくわくふれあい・交流ゾーンと連携を図りながら、観る・食べる・学ぶといった多様な形での魅力を強化していきます。

わくわくふれあい・交流ゾーン（観光）

新市を取り囲む美しい海やうえのドイツ文化村、リゾートホテル、ビーチなどの観光・レジャー拠点、新市を代表する景勝地である東平安名崎などの自然、文化資源を活かすとともに、農林水産業を生かした体験型観光等を取り入れながら、観光客や地域住民との多様なふれあい、交流活動の活発化が図られるゾーンとして位置づけます。

くらし・自然やすらぎゾーン（農業、自然環境）

美しい海に囲まれた豊かな水と緑、各地域の集落を有するゾーンであり、地域住民の豊かな暮らし・営みを保全・持続していくため、地下水の保全や自然エネルギーの活用など地域全体の環境保全に関する取り組みを図っていくゾーンとして位置づけます。

にぎわい・もてなしゾーン（商工業、玄関口）

新市の玄関口として、沖縄本島、多良間などとの交流促進のための機能強化を図り、もてなしのゾーンづくりを進めます。また、商業集積の高度化・魅力向上、雇用の場の創出、医療・福祉体制の充実、文化的な活動の場の確保などにより、住民全体の利便性を高め、暮らしの質的向上につながる都市機能の集積を図ります。

活力あふれる豊かな未来ゾーン

伊良部大橋の建設や下地島空港のポテンシャルを最大限に生かし、地域住民の生活利便性の向上はもとより、新市全体の地域活性化につながるようなゾーンづくりを進めます。特に、観光資源のネットワーク化や国際海洋リゾート整備ゾーンと連携を図りながら、新市の未来を切り拓く産業振興等を展開していくゾーンとしての整備を検討していきます。

国際海洋リゾート整備ゾーン

宮古島の自然、風土を生かした国際海洋リゾート拠点として、リゾート施設の整備や観光関連産業の進出およびそれに伴う雇用創出効果などにより、国内外の観光客の増大や地域経済の活性化を図る拠点としてのゾーンづくりを進めます。

3. 軸整備の方向性

水と緑の回廊軸（グリーンベルト）

住民の生命と財産を守るため、水と緑の回廊軸を形成し、地下水の水質の保全を図るとともに資源循環型社会の形成を住民とともに取り組んでいく軸として位置づけます。

広域交流軸

新市の玄関口である宮古空港と多良間地域間の連携を強化する軸として位置づけるとともに、沖縄本島、八重山諸島等と広域的な交流が図られるよう軸の形成を図ります。

地域連携軸

現在の主要幹線道路について、各地域間を連携する軸として位置づけます。特に、宮古島内の地域核間を結ぶ軸については、特に住民の生活利便性の向上や地域の一体性に資する軸として強化を図ります。また、散在している観光資源（自然、歴史、文化）のネットワーク化を形成することにより、地域全体の魅力向上を図るとともに、伊良部大橋の建設を見据え、その活用が期待される下地島空港との連携を推進します。

将来都市構造